作家と職人
さぁ、材料をたっぷり仕入れました。
UMEBACHI FURNITURE では、材料を丸太で購入しています。
家具を作る時、テーブルの天板や椅子の座面などにはたいていの場合板を何枚か接着します。長さは一枚でも足りますが、幅はなかなか足りないためです。同じ樹種でも木によって色が違うので、丸太で買うと色を合わせやすいのです。
材料が届いた日は、まるで工場が森になってしまったかのように、木の生命力に圧倒されました。もう切られてしまったものなのに「生命力」とは変な表現かも知れませんが、感じるんです、生命力を。
木の命を頂いている。そう感じます。大事に使わなければね。
注文を頂いたテーブルの製作も進んでいます。
まだ小さなお子さんがいるご夫婦の新居へ大きなラウンドテーブルを。新築した二世帯住宅に6人掛けの大きなテーブルを。
これからそれぞれの家庭で、たくさんの素敵な時間を提供できますように。
傷や染みもつくでしょう。日に焼けて色が変わることもあるでしょう。それらも、家族の記憶の一つとなればいい。これからずっと、長い時間を一緒に過ごせる家具を心をこめて丁寧に作っているところです。
作家と職人
ウメバチさんといつも悩むのはズバリ、値付けです。
やっぱ、高いよ。オーダーメイドの無垢の家具。仕方ないよ。
高くなる理由もわかる、高いものには高いなりの、安いものには安いなりの理由がある、そんなことはわかってる。良いものを長く使うライフスタイルっていいと思う、そうしたいと思う。だけど気持ちとは裏腹に、経済事情が追いつかない。そんな人ってたくさんいると思う。
自分のスタイルを貫くのが作家さんだとしたら、できるだけ個々のユーザーの希望をかなえるのが職人なのかな、と思った。あくまで個人的見解です。
もちろんウメバチさんだって、自分のスタイルを貫きたい。だけどもし、どこか一つ妥協するだけで誰かに手が届く値段になるのだとしたら。たとえば、複雑な造りになるちゃぶ台の折り畳みの機構を金具に変えれば、だいぶ手間が省ける。どこまで妥協するか、は、線を引かなければいけないとは思うけれど、その人なりの「長く使える良いもの」に寄りそって物づくりをすることも、オーダーメイドだと思う。
ウメバチさんに、「作家と職人のどっちになりたい?」と聞いたことがあります。
ウメバチさんは職人だと答えました。
色んな人に、長く使ってもらえるものを届けられるといいね。
イベント出店のお知らせ
2月29日、川越のゲストハウスちゃぶだいの「ちゃぶだい百貨店」に出店します。
私が本業にしている場所ですが(;^_^
11時~16時まで。
ズコウシツのものも少し並べられる予定です。
「春をまつ日々」と名づけたイベント。家にこもりがちな寒い毎日、家の中でそばにいてほしいものたちを集めました。
ほかに、
川越市内で陶磁器ブランド「暮縞」と素敵な生活雑貨のお店を営む「暮品」さん、
墨田区で週に一度、間借りで開店する南インドの定食屋「umitoyama」さん、
吉見町でワークショップと雑貨のお店を営む「WOOLY」さん、
そしてちゃぶだいの庭に佇む、オーダーメイドの眼鏡店「澤口眼鏡舎」さん。
わくわくさせる皆様と一緒に一日過ごせることになりました。
ぜひお越しください^^